土木デザイン設計競技 景観開花。2017

About

企画要旨

『景観開花。』は、土木デザインに関心のある若者へその力を試せる場を提供するとともに、多くの人々へ向けて土木デザインの可能性を示すための設計競技イベントである。

高度経済成長期の日本では早急な社会基盤整備が求められ、特定の機能を果たすためだけの画一的な土木施設が多く生み出された。しかし一定の社会基盤が整うにつれ、その場所が持つ意味や役割に合い、風景に調和した土木デザインを求める機運が高まりつつある。そういった土木デザインが美しい景観を実現するものと信じ、『景観開花。』は誕生した。

そして『景観開花。』は本年度で14回を数える。土木デザインの隆盛による国土景観の「開花」を願い誕生してから、年を経るにつれて少子高齢化に代表される社会情勢の変化は着実な進展を見せ、これに伴う「まち」の問題も東日本大震災を契機にいっそう顕在化した。我々はいま、生活のあり方そのものを問い直すとともに、人々の生活を支える土木施設のあり方を再考する必要に迫られているといえるだろう。このことを踏まえ、近年は土木と生活の接点としての「まち」に重点を置いた設計競技を実施してきた。

今年度の『景観開花。』もこれを継承し、「まち」の理想に対する土木のあり方を問う。応募者には生活と土木の接点「まち」の理想の未来像について各自の思いを巡らせ、それを実現する土木デザインの提案を求める。世代を越えて存在し続ける土木をつくる視点から、美しい景観と新たな生活を統合するデザインの提案が生まれることを期待している。

平成29年7月31日
景観開花。実行委員会

設計テーマ

新陳代謝

(詳細は募集要項をご覧ください。)

審査方法

一次審査会により、入賞作品を5点前後決定する。また後日、最終審査会を公開で行い、入賞者は作品のプレゼンテーションと質疑応答を行う。審査員はこれらにより最優秀賞と優秀賞を決定し、それ以外の入賞作品を佳作とする。

審査日程

エントリー受付開始平成29年7月31日(月)
エントリー締め切り平成29年10月6日(金)
一次審査提出物締め切り平成29年10月18日(水)
一次審査会平成29年10月23日(月)
公開最終審査会平成29年12月9日(土)

賞金額

最優秀賞1点20万円
優秀賞1点10万円
佳作数点4万円
特別協賛企業賞数点2万円
参加賞全作品審査委員からのコメント

審査委員紹介

篠原 修

篠原 修

Osamu SHINOHARA

土木設計家
東京大学名誉教授
景観開花。2017 審査委員長

詳細

1945年生まれ。
政策研究大学院大学名誉教授・客員教授
エンジニア・アーキテクト協会 会長
GSデザイン会議 代表
(景観開花。審査委員長:2004年〜)

主な受賞歴

2010年土木学会デザイン賞 最優秀賞(新豊橋)
2009年鉄道建築協会賞停車場建築賞(JR四国・高知駅)
2008年ブルネル賞(JR九州・日向市駅)
2008年土木学会デザイン賞 最優秀賞(苫田ダム空間のトータルデザイン)
2004年グッドデザイン賞 金賞(長崎水辺の森公園)
ほか

主な著書

内藤廣と東大景観研の十五年(鹿島出版会、2013年)
ピカソを超える者は―評伝 鈴木忠義と景観工学の誕生(技報堂出版、2008年)
景観用語事典 増補改訂版(彰国社、2007年)
土木デザイン論(東京大学出版会、2003年)
ほか

関連するページ

エンジニア・アーキテクト協会 メンバー紹介
政策研究大学院大学 教員・所属研究者情報

饗庭 伸

饗庭 伸

Shin AIBA

都市計画家
首都大学東京都市環境科学研究科都市システム科学域教授

詳細

1971年生まれ。
専門は都市計画・まちづくり。
国土交通省 社会資本整備審議会 都市計画基本問題小委員会 委員
葉山町公共施設等総合管理計画策定委員会 委員長
ほか

主な受賞歴

2006年財団法人住宅総合研究財団 助成研究選奨
(建築ストックの地震リスク情報化とその地域共有化手法)
2006年総務省消防庁防災まちづくり大賞 消防庁長官章
(「震災復興まちづくり模擬訓練」の手法開発とその実践活動)
ほか

主な著書

まちづくりの仕事ガイドブック(編著、学芸出版社、2016年)
自分にあわせてまちを変えてみる力(編著、萌文社、2016年)
都市をたたむ(花伝社、2015年)
東京の制度地層(編著、公人社、2015年)
ほか

関連するページ

饗庭伸 研究室
都市をたたむ技術(個人BLOG)

五十嵐 太郎

五十嵐 太郎

Taro IGARASHI

建築評論家
東北大学大学院教授

詳細

1967年生まれ。
あいちトリエンナーレ2013 芸術監督
第11回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展 日本館コミッショナー
窓学10周年記念窓学展ー窓から見える世界ー 展示ディレクター(9月28日より開催)
(景観開花。審査委員:2007年〜)

主な受賞歴

2014年文化庁芸術選奨新人賞(あいちトリエンナーレ2013 揺れる大地)
ほか

主な著書

日本の建築家はなぜ世界で愛されるのか(PHP研究所、2017年)
日本建築入門ー近代と伝統(筑摩書房、2016年)
レム・コールハースは何を変えたのか(鹿島出版会、2014年)
窓と建築の格言学(フィルムアート社、2014年)
おかしな建築の歴史(エクスナレッジ、2013年)
〈建築〉という基体―デミウルゴモルフィスム 磯崎新建築論集 第4巻(岩波出版、2013年)
建築学生のハローワーク 改訂増補版(彰国社、2012年) ほか

関連するページ

五十嵐太郎 研究室

木下 斉

木下 斉

Hitoshi KINOSHITA

まちビジネス投資家/事業家
一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス 代表理事

詳細

1982年生まれ。
一般社団法人公民連携事業機構 理事
熊本城東マネジメント株式会社 代表取締役
勝川エリア・アセット・マネジメント株式会社 取締役
内閣官房地域活性化伝道師
(景観開花。審査委員:2014年〜)

主な著書

地方創生大全(東洋経済新報社、2016年)
闘うまち方法論-自己成長なくして、地域再生なし-(学芸出版社、2016年)
稼ぐまちが地方を変える 誰も言わなかった10の法則(NHK出版新書、2015年)
PUBLIC DESIGN 新しい公共空間のつくりかた(共著、学芸出版社、2015年)
まちづくり:デッドライン(共著、日経BP、2013年)
まちづくりの「経営力」養成講座(学陽書房、2009年)
ほか

関連するページ

経営からの地域再生・都市再生
一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス

西村 浩

西村 浩

Hiroshi NISHIMURA

建築家/デザイナー/クリエイティブディレクター
株式会社ワークヴィジョンズ 代表取締役

詳細

オン・ザ・ルーフ株式会社 代表取締役
株式会社リノベリング 取締役
マチノシゴトバCOTOCO215 代表
(景観開花。審査委員:2005年, 2008年〜)

1967年佐賀県生まれ。東京大学工学部土木工学科卒業、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了後、1999年にワークヴィジョンズ一級建築士事務所を設立。
土木出身ながら建築の世界で独立し、現在は、都市再生戦略の立案からはじまり、建築・リノベーション・土木分野の企画・設計に加えて、まちづくりのディレクションからコワーキングスペースの運営までを意欲的に実践する。
日本建築学会賞(作品)、土木学会デザイン賞、BCS賞、ブルネル賞、アルカシア建築賞、公共建築賞 他多数受賞。2009年に竣工した、北海道岩見沢市の「岩見沢複合駅舎」は、2009年度グッドデザイン賞大賞を受賞。

関連するページ

株式会社 ワークヴィジョンズ

(敬称略/五十音順)

審査委員メッセージ

篠原 修 先生(審査委員長)

デザインのコンペだから仕方がないのだが、今までの応募案を改めて見直してみると、「もの」や「空間」に関心が偏りすぎているように思う。「もの」や「空間」は人間の「心」の現れであるから、その根本である人間の心についての考察が欲しい。もっとも人間という存在は矛盾に満ちているので、これだという一意に定まるものではない。憧憬、嫉妬、名誉と金銭慾、愛憎、祈りなどの煩悩から逃れられないのだ。若者には難しいでしょうが。

饗庭 伸 先生

私たちの身体の新陳代謝は、私たちの意思では変えることができないのですが、都市やまちの新陳代謝は、一つ一つの小さな私たちの意思の集積で決定されています。つまり、自然現象としての新陳代謝と、都市やまちの新陳代謝は本質的に異なり、都市やまちの新陳代謝は、その仕組みを丁寧に読み込み、そこに介入することで、よりよい方向へともっていくことが出来ます。こうした「まちの仕組み」に踏み込んだ提案を期待します。

五十嵐 太郎 先生

景観開花は、模型まで提出することができる、国内唯一の土木系アイデア・コンペです。景観は幅広いキーワードなので、建築や他学科からも構想し、提案できることも醍醐味です。昔の日本は良かったのような観念的かつ曖昧な景観論ではなく、是非、具体的なかたちのイメージも伴った魅力的な提案が多く集まることを期待しています。

木下 斉 先生

単に空間を作っても人はそこにいきません。単に便利な交通手段を作っても人は使いません。重要なのは「明確な目的」です。人の目的を考えてそれに必要なコンテンツを突き止め、それを実現するのに必要な社会機能を構想する。その上で土木が役割が先鋭化します。ぜひ人の動きに関心を持ち、人の目的に寄り添うマーケット感覚のある提案を期待します。

西村 浩 先生

都市が解決すべき対象を俯瞰すると、20世紀は「スラム」であり、21世紀は「スポンジ」と言えるでしょう。実態としてもとても対照的な様相ですが、前者は実際に積み上げてきた過去の“清算”であるのに対し、後者は未だ見ぬ未来への“備え”なのです。人口減少や行き過ぎたモータリゼーションの行く末として現れてきたスポンジ化という都市の様相に対し、僕らが対象とする土木は、どう備えなければならないのでしょうか?景観やデザインを超えた幅広い視点からの提案を期待しています。

(五十音順)